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スズキ「GSX-8R」の仕立ては想像超え!! 親しみやすく扱いやすいマルチなポーツバイクだった

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スズキ「GSX-8R」の仕立ては想像超え!! 親しみやすく扱いやすいマルチなポーツバイクだった

「ザ・ドンズバ」と言いたくなる、ファンなスポーツバイク

 スズキの新型「GSX-8R」に試乗しました。いま、評判のバイクです。結論からいきましょう。相当楽しめます! 速度域を問わず乗るのが楽しい、操りやすいのです。名前から連想した手強さのハードルがとても低く、初心者からエキスパートまで楽しめる1台だと確信しました。

【画像】スズキ「GSX-8R」(2024年型)の詳細を画像で見る(19枚)

 その理由です。まず、エンジンとシャーシが良い。2023年からミドルクラスで話題を呼んでいる「GSX-8S」や「V-STROM800 DE」と同時に造られた兄弟車なだけあって、その2台に乗った経験からしても、走りやすいのは想像がつきました。

 その源泉となるのがエンジンで、市街地で使う低い回転から滑らかでトルクフル。アクセル操作への反応もきちんと調教されています。4000rpm以下でおおよそ加速に充実感があります。もちろん、その領域からアクセルを開け増せば、3500rpmあたりから迫力のある加速を楽しませてくれます。

 2気筒だからといって嫌な振動はなく、スムーズな中に気持ち良い鼓動感も存在。さらに高い回転域へと回し続けるより、シフトアップしてこの厚みのある加速Gを楽しみたい、そこも良いのです。もちろん回せば一直線に、さらに増える加速Gは、もっと排気量があるような印象です。

 正直に言って、2020年代前半に新登場したバイクの中で、ベストなエンジンだと思います。270度の位相クランク、2本のバランサーシャフトを持ちますが、小型化を達成するためにそのレイアウトにこだわったことも特徴です。

 開発には2024年に登場した「V-STROM800」を合わせて全4モデル、ロードとアドベンチャーツアラーという異なるベクトルのモデルを、基本的に同じフレーム、同じエンジンで構成するという難しい開発テーマに取り組んだスズキですが、それぞれで絶妙なパッケージに仕立てているのです。

 次にシャーシです。「GSX-R」シリーズをも連想させるスタイル、そしてネーミングながら、シャープさ一辺倒なハンドリングではありません。ほどよくシャープ、それでいて一般的な速度でも味わいのある手応えを与えることで、操っている実感が日常域からも味わえるところが「◎」です。

 ハンドリングには一体感があり、ステップワークを活かして左右に寝かし込むと素早く、シートなどに荷重するとそれよりも穏やかかつ充実感のある身のこなしを見せます。いま欲しいのは安定感? それとも運動性? その双方をライダーが操り方ひとつで引き出せるのです。

この優しさは、一体ナニ?

 想像以上だったのはそのライディングフォームの優しさです。フルフェアリングではないものの、タンクトップから鍛えた腕が覗くようなスタイル。見た目のシャープで鋭いスポーツマシン然としているのに、跨がってハンドルバーに腕を伸ばすと、前傾する上体が感じとる優しさのようなものは何でしょうか。

 クリップオンタイプのハンドルバーは、幅も適度にタイトなのでコンパクトでありながら、Uターンや左折小廻りなど、低速で前輪に舵角が大きく当たるときでもハンドルバーが常に懐にある感じで、取り回しがメチャ楽なのです。

 ここでポイントなのが、エンジンが持つスムーズで力強い低速トルクです。ドンツキなく引き出せるため、ネイキッドモデルの「GSX-8S」と同じホイールベースながら、むしろ「GSX-8R」の方がクルっと小廻りが効きやすいのでは、と思うほど。

 ホンダ「CBR400R」も似たパッケージですが、あちらは400ccクラスです。低速トルクの充足度が排気量775ccの「GSX-8R」とは、やはり違います。

「GSX-8R」はオオカミの皮を被ってはいるものの、近所のコンビニランも、朝晩のコミューターとしても、ツーリングバイクとしても、スポーツバイクとしても、どこをとっても「ドンズバ」なスポーツバイクだったのです。これは想像超えでした。

 ブレーキシステムのタッチ、制動力の良さ、サスペンションとのマッチングも充分。上級機種が採用するラジアルポンプのマスターシリンダーなどは使わなくても、無駄なストロークが抑えられたシステムでワインディングを走っていても、ブレーキングという難しい課題を楽しい時間に変位させてくれます。

 スズキの魅力としてコストを抑えた点も考えても、高いモノを使わずとも感触の良さは引き出せる、というお手本でした。

 高速道路巡航では安定感もあり、豊かなトルクを発生するエンジンにより80~120km/hという制限速度を問わず、力強いクルージングをしてくれます。

 サーキットも視野に入れた低めのウインドスクリーンで快適性最高! とはいきませんが、このバイクと市街地からツーリング、ワインディング、いやいや、サーキットまでも楽しもうというライダーならば、この部分だけを見て選択肢からハズすことはないでしょう。

 まさにバイプレーヤー的な「GSX-8R」は、そんな身近なスーパー機能的スポーツバイクでした。

※ ※ ※

 スズキ「GSX-8R」の価格(消費税10%込み)は114万4000円です。カラーバリエーションは取材車両の「マットソードシルバーメタリック」のほか、「トリトンブルーメタリック」、「マットブラックメタリック」の全3タイプが用意されています。

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みんなのコメント

1件
  • 葛葉恭次
    ポーツバイク、とは?w

    まあポークって感じの方々はおられますがw
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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